ホームページ作成を業者に依頼する場合、どんな準備をしておくべきかご存じでない方も多い。
しっかりと準備をせずに複数社からとりあえず見積もりを取ってみても、意味が分からず時間を無駄にするだけである。
そこで今回はホームページの見積もりに関連して事前に準備しておくことや、見積もりの見方、値引きの仕方などを解説したいと思う。
- 正確な見積もりを取るための事前準備
- 見積もりの正しい見方
- 制作費を値切るポイント
有効な情報を詰め込んだのでぜひ最後まで読んで参考にしていただきたい。
ホームページの見積もり依頼前にしておく準備
なんとなく見積りを取ってホームページ制作を進めると、実際の契約金額は見積もりの倍近く掛かった等のトラブルが発生する。
こういったパターンは非常に多く、これでは見積もりを取る意味がない。
しっかりと参考になる見積もり書を取るため、クライアント側でやっておくべき事前準備を3つご紹介したい。
どれも簡単かつ重要な準備なので是非行ってほしい。
①ホームページを作る目的を明確にする
まず最初に、ホームページを作る目的を自身で明確にしておくことだ。
ホームページには、コポーレートサイト・サービスサイト・ECサイト等さまざまな種類と役割があり、求めるものによって費用や製作期間が大きく変わる。
ホームページの目的として代表的なものを以下に列挙するので参考にしていただきたい。
- 名刺代わり
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パンフレット代わりとして企業や店舗の情報をあげたい
- ブランディング
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ブランドイメージを新たに作りたい、または強化したい
- ネット販売
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ホームページ上で商品やサービスを売りたい
- 問い合わせ獲得
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商品やサービスの情報を提供して問い合わせを増やしたい
- 採用
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新入社員を増やしたい
ホームページを1つ作れば何でもできるというのは誤った認識である。
上記5つの中から目的を選び、その用途に特化したホームページを作るべきだ。
②ホームページで達成すべき目標を設定する
次に、ホームページで達成すべき目標を明確にしておこう。
目的が[①名刺代わり] [②ブランド構築]であれば数値目標は伴わないが、目的を達成するためにどんな情報を発信するか、どのようにユーザーに伝わるかを考えておくと制作会社側の仕事が円滑に進む。
また、目的が[③ネット販売]であれば売り上げや利益が目標となるし、[④問い合わせ獲得]なら問い合わせ件数、[⑤採用]なら求人へのエントリー数または採用数が目標にしやすい。
目的と目標が明確になっていれば、制作会社とのミスマッチも起こりにくく、より現実的な見積り金額の把握が可能となる。
③予算を決める
そして3つ目の準備が予算設定である。
ホームページの制作費は格安サービスであれば数万円という場合もある。
その一方、多数の機能を盛り込んでページ数を増やし、デザインにこだわれば数百万円かかることも珍しくない。
事前に予算を決めておけば業者と打ち合わせする際に、(予算内で)できること・できないことが明確になるので、検討や制作の進行をスムーズに進めることができる。
また、予算と言ってもある程度は相場を理解した上で設定しないと門前払いされる可能性もある。
ホームページ制作費相場については下記記事で解説しているので合わせてご覧頂ければと思う。
ホームページ作成会社へ見積もり依頼
事前準備が整った後は、いよいよ業者に見積もりを依頼することになる。
まず、見積もりの各項目について理解頂くために、見積書のサンプルをご覧いただきたい。
上記の見積もりサンプルは中規模の名刺代わりホームページ(スマートフォン対応)を想定しており、75万円という金額も中央値に近い価格帯である。
また、ディレクション・KPIといった聞き慣れない用語も多く出てくるので簡単に用語解説もしておきたい。
ディレクション(進行管理)
ディレクションとは、打ち合わせを含めて制作全体を決定・進行する作業を指し、資料作成なども含む。
実際にかかる時間を算出することは困難なので、全体金額の10%前後と設定している業者も多い。
KPI、コンセプト設計費
KPIは検索すると難しい言葉で解説している記事が多いが、「最終目標に至るための中間目標」と理解していただきたい。(最終目標はKGIと呼ぶ)
コンセプト設計とは、ターゲットや伝える内容を明確にすること。この部分がぼけていると望むゴールに近づきにくい。
構成ラフ
細かい製作にかかる前に概略の配置を提示して、依頼者とイメージのすり合わせを行う工程。
この工程では、構成図・ワイヤーフレームと呼ばれる設計図となるパーツを作成していく。
デザイン費
詳細のデザインを構築する工程。
トップページは下層ページとデザインが大きく異なるので別項目になっていることが多い。
テンプレートを使えば個性はないが安くできる。また、サンプルで示しているようにページ数が費用を左右する。
なお、パソコン向けのデザインとスマホ向けのデザインで費用を分ける見積もりもある。
コーディング
Webブラウザに表示した時にデザインに沿った画面表示が行われるようにプログラミング言語を用いて各ページを構築する作業。
ホームページに関連して使う場合はHTMLコーディングと記載されている場合もある。
テスト・動作検証
想定した動作が確実に行われているかを確認する作業。パソコンやスマホから見たり、AndroidやiPhoneでの見え方の違いなども確認を行う。
アクセス解析設置
ホームページの閲覧者数や動向を解析するためのシステムを設置すること。
一日に何人のアクセスがあるのか、どのページがよく閲覧されているか等も把握できるため、必須の作業と言える。
ホームページ制作費の見積もりパターン
業者がホームページ作成の見積もりを出してくる場合、以下の3つのパターンに分けられる。
- 工数で金額を提示する方法
- ページ数と単価で金額を出す方法
- 項目をあげて1式〇〇円と記載する方法
上の見積もりサンプルでは、多くの項目で1式の金額を記載し、デザインやコーディングの項目でページ数から金額を出している。
また、○○費一式という部分には、何が含まれていて何が含まれないのかをしっかり確認しておこう。内容が明確でない場合、双方が考えている作業内容にズレが生じてトラブルになる可能性がある。
見積もりに対して値引き交渉はできるか?
ここからは業者から提示された見積もりに対して値引き交渉はできるのか、という点を解説していこう。
提示された見積もりに対して値引き交渉を行うことはもちろん可能である。
ただし、むやみやたらに値引き交渉するのではなく、適切な機会を見極めて行うべきだ。
適切な機会とは、具体的に下記のような場合だ。
- 想定した予算内に見積金額が収まっている場合
-
この場合、値引き交渉はしないことをお勧めする。ホームページのクオリティは制作者のモチベーションにも大きく左右されるからだ。
- 予算より見積金額が高い場合
-
微小な差であり、かつその業者と仕事をしたいと思えるならば値引き交渉をしてみよう。
- 予算より見積額が極端に高い場合
-
依頼者側が相場を把握できていないか、その業者が実際に高いかのどちらかである。
前者のパターンが圧倒的に多いため、相場について理解した上で再度見積もりを取ることをお勧めする。
また、値引き交渉が上手く進めるためのポイントもいくつかご紹介したい。
見積額を値切るポイント
単に「安くしてほしい」と交渉をしても大きく見積額が変動することはない。
その際、下記の3点を交渉材料として提案することで、上手くいくと10~20万円程度の値引きに成功する場合もある。
- ホームページの機能を減らす
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目的や目標を損なわずに落とせる機能を探すことが重要。
- ページ数など物量を減らす
-
ページは後からでも増やせるので、全体のクオリティを落とすより良いと考えることもできる。
- デザインへのこだわりを抑えてテンプレートを使用する
-
ブランディングなどが主目的でなければ有効。
ただし、省いても問題ない機能・ページがどれなのかを判断できるホームページに詳しい人物が交渉を担当しよう。
まとめ
以上、ホームページ作成における見積もりについて解説させていただいた。
要約すると以下のようなことが言える。
- 見積依頼をする前にホームページの目的・目標・予算を決めておく
- 最低限のWeb用語を知っておくと打ち合わせや製作がスムーズに進む
- 値引き交渉は無理ではないが、過度な値引きは質の低下につながる
- 価格を下げる方法を知って、目標達成に向けたホームページを作ろう
これらを踏まえてお勧めしたいのが、富山工房のホームページ制作サービスである。
問い合わせを獲得するためのWeb集客に特化したホームページ制作を行っており、定額制プランのため見積もり等の手間が一切必要ない。
ホームページ作成をお考えの方は是非お気軽にご相談いただきたい。