パンくずリストをご存知だろうか?
WEBサイトを運営している方なら一度は聞いたことがあるかもしれないが、内部SEOには欠かせない対策の1つである。
ご存じない方のために説明をすると、パンくずリストは下記のように表示される。
パンくずリストは、訪問者がどの階層にいるのかを伝え、現在地を見失わないように補助する役割を持つ。
また、このパンくずリストはユーザーに階層を伝えるだけではなくSEOにも影響を与えるのだ。
パンくずリストは正しい方法で設置しないと逆効果になってしまうので、ぜひこの記事を読んでパンくずリストに関する知識を深めて欲しい。
記事後半ではパンくずリストの設置方法も解説しているのでご覧頂きたいと思う。
パンくずリストの由来
「パンくずリスト」というユニークな名前は、童話「ヘンゼルとグレーテル」から付けられている。
童話の中で主人公が森の中を歩く際に、来た道を忘れないように道標としてパンくずを置いていったエピソードが由来となっているのだ。
Webサイトにおいても、パンくずリストは道標の役割を持っている。
パンくずリストは一般的にページの最上部もしくは最下部に設置されており、道標としての役割以外にも3つのメリットをもたらしてくれる。
パンくずリストによる3つのSEO効果
パンくずリストを設置することで下記3つのメリットが得られる。
- サイト回遊率を上げる
- クローラビリティを高める
- 内部リンクとして機能する
また、この3つはSEOにも直接影響するため、しっかりと理解しておこう。
それぞれについて解説したい。
サイトの回遊率を上げる
先述したように、パンくずリストを見れば自分がサイト内のどの階層にいるのかを確認できる。
なおかつ、パンくずリストを使うことで階層間を移動することもできるのだ。
例えば、ポータルサイトのエキテンで渋谷駅周辺のエステを検索すると、下記のようなパンくずリストが表示される。
上記のパンくずリストを見ると、エステ(大カテゴリ)→東京都のエステ(中カテゴリ)→渋谷区のエステ(小カテゴリ)を経て渋谷駅周辺のエステ紹介ページにたどり着いていることが判る。
パンくずリスト内のテキストは各階層に繋がるリンクになっており、このリンクを使いこなすことでより効率的にサイトを利用することが可能となる。
例えば、ここから渋谷駅周辺ではなく渋谷区全体からエステを探したい場合はリスト内の「渋谷区のエステ」をクリック、更に都内全体で探したい場合は「東京都のエステ」をクリックすることで移動ができる。
最後のパンくずリストから遡ることで、サイトの階層を1つずつ上に移動できるのだ。
いちいち検索を行わなくとも、ワンクリックで効率よくサイト内を巡回することができる。
クローラビリティを高める
パンくずリストにはユーザビリティを高めるだけでなく、クローラビリティを高める効果もある。
インターネット上にはクローラーと呼ばれるロボットが巡回しており、クローラーが読み取った情報を元にGoogleの検索順位は決められている。
詳細は検索エンジンの仕組みとはでも解説しているが、クローラーは一度通っただけではページ情報の断片しか読み取れないため、何度も何度も巡回してもらう必要があるのだ。
つまり、Googleに正しくサイトを評価してもらうには、クローラーの巡回しやすいサイト環境(クローラビリティ)を整える必要がある。
パンくずリストを設置することで、クローラーがリンクを辿ってサイト内をくまなく巡回することができるのでクローラビリティが向上するのだ。
内部リンクとして機能する
先述したクローラビリティの内容と若干重複する内容になっていしまうが、パンくずリストには内部リンクとして機能するというメリットも存在する。
内部リンクを多く貼られているページは、検索エンジンに「このサイトにとって重要なページである」と認識される。
パンくずリストはページの階層構造を示すので、自然とトップページに内部リンクが集中し、次にカテゴリーページ、最後に下層ページとサイト内の重要ページを検索エンジンに認識させることができる。
カテゴリーページが検索上位に表示され、多くのアクセスを獲得する可能性もあるので、パンくずリストは内部リンクとしても重要な役割を持つ。
パンくずリストの設置方法
パンくずリストの設置方法には以下の2通りがある。
- 構造化データを活用する
- プラグインを活用する
構造化データを活用する
構造化データとはGoogleのクローラーにサイト情報を正確に伝えるために記述されたもので、パンくずリストを設置するには構造化データに記述していく。
構造化データの形式には以下の3種類があり、違いとしてはHTMLに記述するのが「microdata」「RDFa」、JSONで記述するのが「JSON-LD」だ。
ここではGoogleが推奨しているJSON-LDでの記述方法を解説する。
JSON-LDで記述する方法
JSON-LDでのパンくずリストの記述は以下の通り。
<script type="application/ld+json"> { "@context": "https://schema.org/", "@type": "BreadcrumbList", "itemListElement": [{ "@type": "ListItem", "position": 1, "name": "ホーム", "item": "トップページのURL(第1階層)" },{ "@type": "ListItem", "position": 2, "name": "家電", "item": "家電カテゴリーのページURL(第2階層)" },{ "@type": "ListItem", "position": 3, "name": "パソコン", "item": "パソコン子カテゴリーのページURL(第3階層)" },{ "@type": "ListItem", "position": 4, "name": "商品名", "item": "記事ページのURL(第4階層)" } } </script>
このコードを記述すると以下のように表示される。
ホーム>家電>パソコン>商品名
nameにカテゴリーや記事タイトルをSEOワードを含めた上で設定し、itemにそのURLを設定する。
プラグインを活用する
構造化データを活用する方法では少なからずソースコードを触らないといけないので、抵抗感がある方も多いだろう。
しかしWordPressでサイトを構築している方はプラグインを利用することで、ソースコードに触れずに簡単にパンくずリストを設置することができる。
WordPressテーマによってはデフォルトの状態でパンくずリストを利用できる場合もあるが、そうでない場合は以下のプラグインを活用しよう。
Breadcrumb NavXTはインストールするだけでウィジェットを利用して簡単にパンくずリストを設置できるプラグインで、ソースコードを触ることなく好きな位置に配置可能である。
プラグインを有効化した段階で自動で日本語化されているので、使い方も分かりやすく簡単だ。
有効化後に「外観」から「ウィジェット」を確認すると「Breadcrumb NavXT」の項目があるので、パンくずリストを配置したい好きな箇所に移動させるだけで設置できる。
パンくずリストを設置する際の注意点
パンくずリストを設置する際の注意点は以下の通りだ。
- カテゴリー構成を明確にして設置する
- カテゴリーにSEOワードを含める
簡単に設置できる分、適当に行ってしまう方が多いが、正しく設置しないと効果がないばかりか、逆効果になってしまうので注意が必要だ。
カテゴリー構成を明確にして設置する
パンくずリストはユーザーが現在位置を確認するためにあるので、誰が見ても理解しやすいカテゴリー構成、階層構造にしてから設置しよう。
カテゴリーの階層構造はSEOキーワードを決める時と同じように、メインキーワードを決めてからサブキーワードの順で設定する。
カテゴリー構成が明確化された良いパンくずリストは以下のようになる。
ホーム>家電>パソコン
ホーム>家電>パソコン>メーカー名
カテゴリー構成が理解しやすいはずだ。反対に悪い例は以下の通り。
ホーム>私が使っている物>パソコン
カテゴリーにSEOワードを含める
パンくずリストの設置を行う前に、カテゴリー名にSEOワードが含まれているかを確認して欲しい。
解説した通り、パンくずリストを設置するとクローラーが巡回したり、内部リンクで機能してSEO効果があるのだが、カテゴリー名にSEOワードが含まれていない場合、検索順位を上げることが難しい。
カテゴリー名にSEOワードを入れて、関連する記事が下層にあることでカテゴリー全体の関連性を高めて検索順位を上げることができる。
必ずカテゴリー名にSEOワードを入れるようにして、キーワードはひとつに絞ろう。
まとめ
以上、パンくずリストを設置するメリットやSEO効果、設置する方法と注意点について解説した。
パンくずリストの設置だけで検索順位が決まる訳ではないが、ユーザビリティを高めてサイト内回遊率を高めるだけでも効果は高いと予想できるだろう。
設置方法も非常に簡単で、プラグインを活用すればすぐにでも実装可能なので、まだ設置していない方は早めに改善をすべきだろう。