ブログやホームページを作る準備を進めていくと、「サーバー」という言葉に出会うはずだ。
家を建てるには土地が必要なように、ホームページを建てるにはサーバーが必要なのだ。
そこで本記事では、WEB初心者の方でも理解できるよう、サーバーについて徹底解説したいと思う。
この記事を読むことで、サーバーの種類や役割、導入方法が理解できるはずだ。
- サーバー4つの種類
- サーバー6つの用途
- サーバー3つの導入方法
サーバーとは
サーバー(server)は、翻訳すると「提供する側」という意味を持つ。
サーバーは、簡単に説明すると下記2つの役割を持っている。
- Webサイトを構築するHTMLファイルや画像ファイルを保管する
- ユーザーの要求に対して保管データを取り出して提供する
例えば、私たちは特定のWebサイトを閲覧する際、ブラウザにページURLを入力して検索をしている。
これは、サーバーに対してそのページの表示を要求していることになる。
対するサーバーは、保管しているデータの中から要求されたページ情報を探し、表示することで提供しているのだ。
つまり、サーバー自体がなかったり、不具合がある場合はサイトを表示させることができない。サイト運営者にとっては非常に重要なものとなる。
また、一言でサーバーといっても様々な種類があるので簡単に説明をしておきたい。
サーバーの種類
サーバーは大きく「物理サーバー」と「仮想サーバー」の2つに、厳密には更に下記4つに分類される。
- 物理サーバー(実際に存在する1台のサーバー)
-
共用サーバー・専用サーバー
- 仮想サーバー(仮想上で複数台とみなすサーバー)
-
クラウドサーバー・VPS
上記4つにはどのような違いやメリットがあるのか順に見ていきたい。
共用サーバー
共用サーバーとは、複数人でレンタルして利用するサーバーである。
シェアハウスのように1台のサーバーを複数人で運用する為、コストも非常に安く抑えることが可能。
自分たちでサーバーの設定などを行う必要もない為、サーバーエンドの知識がなくても簡単に使うことができる。
また、デメリットとしては下記の2点が挙げられる。
- 細かな設定やカスタイマイズができない
- 他ユーザーの使用状況が自サイトの表示速度等に影響する
レンタル費用は月額500円~程度のサービスが多い。
安価に利用できるため、一般的なホームページやブログはほぼ全て共用サーバーを利用して構築されている。
専用サーバー
専用サーバーとは、文字通り自分専用のサーバーを1台保有するサービスである。
ハイスペックなサーバーを構築できるため、アクセス数の多いサイトを持っている場合や本格的なアプリケーションを開発する場合に適したサーバーである。
また、1人でサーバーを独占できるので、共用サーバーのように他のユーザーの利用状況から影響を受けることもない。
デメリットとしては下記の2点が挙げられる。
- サーバーの構築・設定・運用まで全て自分で行う必要がある
- レンタル費用が非常に高額になる
また、専用サーバーをレンタルするには初期費用5万円~+月額3万円~の費用が相場となる。
VPS
VPS(Virtual Private Server)とは、翻訳すると「仮想上の個人的なサーバー」となり、仮想専用サーバーと言われることが多い。
共用サーバーと同様に一台の物理サーバーを複数人でシェアするものの、ユーザー毎のゲストOSを用意することで専用サーバーに近い性能を実現している。
つまり、共用サーバーのコスパと専用サーバーの性能をあわせ持つサーバーなのだ。
出典:カゴヤのサーバー研究室
VPSには大きなデメリットがなく、それが最大のメリットでもある。
自身で構築や管理を行う必要があるのでサーバーエンドの知識が必要なものの、月額数百円~の予算感で高性能サーバーを持つことができる。
クラウドサーバー
クラウドサーバーとは、直訳すると「雲の中のサーバー」となり、クラウド環境で構築されたサーバーである。
クラウドと言っても、サーバー会社が管理する物理サーバーは存在し、それをネット経由で利用するシステムである。
クラウドサーバー最大の特徴は、アクセス数に応じてサーバー容量が自動で変動する仕組みにある。
料金も使用容量に応じた従量課金制であるため、アクセス数の変動が激しいECサイトは必要最低限の費用で莫大なアクセス増加にも備えることが可能となるのだ。
出典:カゴヤのサーバー研究室
料金相場も3000円~で利用可能であるものの、設定運用が難解なため、専門家のいない場合は運用が難しいというデメリットが存在する。
サーバーの使い方は6通り
また、サーバーは決してサイトの表示させるだけが役割ではない。サーバーの使い方には主に下記6通りがある。
一気に内容が難しくなるので、初心者の方は読み飛ばしていただいて問題ない。
Webサーバー | ユーザーがURLをクリックした際に、適切にページ情報を提供、表示するサーバー。 |
メールサーバー | メールの送信や受信を行うことができるサーバー。 |
データベースサーバー | サイト内検索などのユーザーのリクエストに対して情報を提供するサーバー。 |
DNSサーバー | ドメインとIPアドレスをユーザーのリクエストに応じて適切に結びつける役割を持つサーバー。 |
アプリケーションサーバー | Webサーバーから送られるリクエストに対してアクションを実行するサーバー。ECサイトのショッピングカート機能などで利用される。 |
FTPサーバー | クライアントPCからサイト構築に用いる各種データのダウンロード・アップロードを行うサーバー。 |
少々難解な話になってしまったが、サーバーは目的に応じて様々な機能を提供できると覚えておこう。
では、実際にサーバーを導入するためにはどうすれば良いのだろうか。
その点についても触れておきたい。
サーバーを導入する3つの方法
サーバーを導入するには下記3つの方法がある。
- レンタルサーバー
- 自社サーバー
- ハウジング
それぞれについて簡単に解説したいと思う。
レンタルサーバー
レンタルサーバーは、その名前通り、サーバー会社からサーバーを借りる方法である。
共用・専用・VPS・クラウド、全てのレンタルサービスがあるので簡単に最適なサーバーを導入することができる。
特に共用サーバーなどの場合は、設定運用やセキュリティー対策なども全てサーバ会社が行う為、一切のサーバーエンド知識が無くとも運用可能である。
最も一般的な導入方法ではあるが、永続的に月額費用を払い続けるデメリットも存在する。
自社サーバー
自社サーバーとは、自分たちでサーバー機器を設置して、構築から運用まで全てを行う導入方法である。
注意点としては、自社サーバーで起きたトラブルは全て自分たちで解決しなければいけない。その為、サーバーエンドに関する高度な知識を持っておく必要がある。
その点さえクリアできれば、月額費用も必要なく自由にサーバーをカスタイマイズして使い続けることができる。
ハウジング
ハウジングとは、データセンターを持つ会社がスペースを提供して自社サーバー構築を行うサービスである。
自社でサーバーを自由にカスタマイズしたいけど、管理を行うのは難しいと考える方向けのサービスであり、共用サーバーと専用サーバーのいいとこどりとも言える。
データセンターは、災害対策もしっかりとしており、安定した電力供給も可能なようにインフラも万全の施設に用意されている。
安心して自社サーバーを預けることができるだろう。
自社サーバーとレンタルサーバーのどちらを選ぶべき?
ホームページ構築などでサーバーが必要になった際、自社サーバーとレンタルサーバーのどちらかで迷う方が多い。
そこで、レンタルサーバーと自社サーバー両者のメリットをまとめておきたい。
レンタルサーバーを選ぶメリット
レンタルサーバーを選ぶメリットは下記の2点である。
- 簡単に導入できる
- すぐに利用できる
レンタルサーバーは、レンタルサーバー会社と契約するだけで簡単に導入することができる。
また、共用サーバーならば最短1営業日で利用開始できるはずだ。
サーバーエンドの知識がなく、シンプルなホームページやブログを作る場合はレンタルサーバー一択となる。
仮に、月間100万PV規模のサイトであってもレンタルサーバーで十分に運用することが可能である。
1点だけ注意すべきなのがサーバー停止のリスクである。
レンタル料金の未払いや利用規約違反が起こった場合、サーバー停止となり、同時にサイトもデータごと消えてしまう。
自社サーバーを選ぶメリット
次に、自社サーバーを選ぶメリットは下記3つである。
- 月額費用が必要ない
- サーバー停止のリスクがない
- セキュリティが安心
セキュリティに関して補足説明をすると、レンタルサーバー会社のセキュリティ対策はトップレベルで施されているのは間違いない。
しかしネットのセキュリティに確実な安全性はないため、情報流出する可能性も非常に低い可能性で存在する。
もちろんセキュリティやサーバエンドの高度な知識を自社内で持っていることが大前提だが、個人情報などをデータベースで管理する企業は自社サーバーを利用するのも選択肢の一つだ。
まとめ
この記事では、サーバーの種類や役割について解説させていただいた。
サーバーを導入する際は、「自社サーバー」と「レンタルサーバー」の2つを選ぶことになる。
自社サーバーをおすすめする企業や個人は、下記に当てはまる場合である。
- サーバーを自由にカスタマイズ・設定をしたい
- データーサーバーに個人情報を扱っていてセキュリティ対策を十分に行いたい
- 自社内にサーバーに関する高度な知識や技術を持っている人材が在籍している
レンタルサーバーをおすすめする企業や個人は、下記に当てはまる場合である。
- 簡単に早くサーバーを導入したい
- サーバーに関する高度な技術や知識を持っていない
これからサーバーを利用する際は、自社の要望に合わせて「自社サーバー」か「レンタルサーバー」を選ぼう。