私たちは、おそらくタイトル(title)タグの研究と検証に日本一と言えるほどの時間を費やしてきた。
これまでに、タイトルタグの最適化のみでサイトの検索順位を引き上げたケースも少なくない。
例えば、下記のサイトがその1つだ。
上記は、ホームページ無料診断からご相談をいただいた企業様のサイトだが、私たちがタイトルタグの最適化を行ったことで「秋田県 うさぎ」での検索順位を47位から1位にまで引き上げることに成功した。
これらの経験を経た上で、タイトルタグのSEOに対する影響力は非常に大きいと考えている。
しかし裏を返せば、タイトルタグの付け方を誤っただけで検索順位を1位から47位にまで落とすとも言える。
そこでこの記事では、タイトルタグについての注意点や、SEOに強いタイトルの付け方までを解説したいと思う。
- titleタグの役割
- SEOに強いタイトルの付け方
- タイトル変更での注意点
タイトル(title)タグとは?
Webサイト上におけるタイトルをつけるタグのことをtitleタグという。
titleタグの書き方は、htmlソースコードにあるheadタグの中に、下記のように<title></title>で囲んで記述をする。
<title>ここにタイトル文章が表示されます</title>
このように記述をすることにより、ページのタイトルが決まり、検索結果において下記のように表示される。
ちなみに、Wix・Jimdo・WordPressの場合、記事投稿画面のタイトルに入力したテキストが自動的にtitleタグで囲まれるようになっている。
したがって、設定方法に困ることは無いだろう。
また、タイトルタグに書かれるテキスト内容は、検索結果以外にも下記のような場面で活用されている。
- ページを表示している時、ブラウザのタブに表示される
- ブックマークした際のデフォルト名称として表示される
- LINEなど、SNSでリンク先を共有した時に表示される
このように、titleタグ内のテキストは、ページそのものを表す文章として、さまざまな場面で活躍している。
タイトルタグの重要性
ページタイトルは、Webページにとって下記2つの役割を担っている。
- 検索エンジンに適切な評価をさせる
- クリック率・拡散力を左右する
それぞれについて簡単に触れておきたいと思う。
検索エンジンに適切な評価をさせる
検索エンジンアルゴリズムは、ページタイトルを軸にしてコンテンツ内容を評価する。
SEOにおいて最も基本的かつ重要な対策が、タイトル最適化なのだ。
しかし、titleタグのSEO効果を買いかぶり過ぎている方が多いのも事実である。
タイトル最適化をすることで、必要以上に検索順位を上げられると考える方もいるが、それは間違った認識である。
どのように上手くタイトルを付けたとしても、70点のコンテンツは70点の評価しか検索エンジンから得られないのだ。
しかし実際のところ、タイトル最適化ができておらず検索エンジンから過小評価を受けているWebサイトが半数以上を占める。
上記のような過小評価を受けないよう、タイトル決定におけるSEOテクニックをマスターすべきだ。
テクニックの具体的内容については後述する。
クリック率を左右する
検索からのアクセス流入数は下記の数式で計算することができる。
検索での表示回数×クリック率
ページタイトルとは、まさに商品名であり、そのネーミング次第で商品を手に取るユーザー数(クリック率)が大きく変わってくる。
モイスチャーティッシュから鼻セレブへとネーミング変更することで売り上げを4倍にまで上げた逸話は有名だが、Webにおけるタイトルの影響力はより顕著である。
その一例として、富山工房のクライアント様のSearchConsoleデータを見てほしい。
検索順位は9.9位、Internet Marketing Ninjas社の調査によると、この順位の一般的なクリック率は1.64%である。
しかしタイトリングを工夫することで、その8倍を上回る13%のクリック率を記録している。
その効果で、月間100万PV以上のアクセス流入を実現しているのだ。
富山工房では、設計・組み立て・確認といった3工程を経てタイトリングを行っている。
クリック率を高めるタイトリングのコツに関しては、「なんと8倍以上!クリック率を掌握するタイトルのつけ方とその証明」をご覧頂きたい。
SEOに強いタイトルの付け方
ここからは、SEO効果を最大限に高めるためのタイトルの付け方を解説したい。
タイトルの付け方のポイントは、Google検索セントラルにも下記のように明記されている。
具体的でわかりやすいページタイトルを付ける
Google検索セントラル
キーワードを詰め込んだようなタイトルは避ける
同じタイトルや定型文を利用したタイトルは避ける
上記の基本をしっかりと理解した上で、もう少し踏み込んだテクニックをいくつかご紹介したい。
SEOキーワードを1つ含める
タイトルを付ける際、最も大切なのがSEOキーワードを含めることである。
例えば、ニキビの治し方について執筆したコンテンツならば、タイトルに「ニキビ」「治し方」という2つのキーワードは必ず含めよう。
検索エンジンアルゴリズムは、このキーワードを軸にしてコンテンツの質を評価してくれる。つまり、検索エンジンにとって「わかりやすいタイトル」になるのだ。
また、含めるSEOキーワードは1つが好ましい。
複数のキーワードを詰め込んだり、同じキーワードを複数回記述するのはSEOスパムに該当する恐れがある。
SEOキーワードの調べ方については「SEOキーワード選定」を参考に進めてほしい。
SEOキーワードの前後を入れ替えない
「ニキビ 治し方」「パスタ 作り方」などの2単語以上のSEOキーワードを用いる場合、その前後を入れ替えないように注意しよう。
キーワードの入れ替えがSEOに及ぼす影響について、下記の検証を行ったのでご覧頂きたい。
- 「東京 ホームページ制作」で検索
-
上位60ページ中、31ページのタイトルにおいてキーワードの並び順が「東京→ホームページ制作」であった。
- 「ホームページ制作 東京」で検索
-
上位60ページ中、27ページのタイトルにおいてキーワードの並び順が「東京→ホームページ制作」であった。
故に、若干ではあるがキーワードの前後はSEOにおいて影響すると言える。
タイトルに含めるSEOキーワードは、その前後の配置まで気を配ろう。
6文節・30字以内に収める
検索エンジンが正確に理解できるよう、タイトルは簡潔に記述すべきである。
具体的には、6文節・30字以内に収めることを意識して記述しよう。
文節とは、「ネ」を入れて区切ることのできる文章パーツである。
例えば、この記事の場合は下記のように6文節に区切ることができる。
タイトルタグのネ/SEO効果をネ/最大限にネ/高めるネ/タイトルのネ/書き方
私たちが200以上のキーワードで調査した結果、検索1位を獲得しているページタイトルは平均5.8文節であった。
もちろん、文節の数と検索順位に直接的な因果関係はないが、6文節以内に収めることで結果的に、キーワードの詰め込み防止・簡潔なタイトル付けに繋がる。
また、6文節を意識することでほとんどの場合、自動的に30文字前後にタイトルが収まるはずだ。
というのも、Googleの検索結果に表示される文字数には限りがあり、オーバーした文字は省略して表示されるのだ。
文字数の限度をもう少し具体的に説明すると下記のようになる。
- PC検索の場合
-
おおよそ30文字
- モバイル検索の場合
-
おおよそ40文字
意外にも、スマートフォンの方がタイトルの文字数は多く表示されるのだ。
したがって、PCとスマートフォンのどちらにも対応できるようにするには、タイトルの文字数を30文字以内にするのがおすすめだ。
タイトル左側にキーワードを含める
また、タイトルの左側にSEOキーワードを含めるのもポイントである。
その理由は2つある。
- 検索エンジンはタイトル左側のキーワードを高く評価する
-
現在はさほど影響はないという意見もあるものの、左側にキーワードを含ませると、検索結果が上位に入る可能性が上がる。
- 検索者の視界に入りやすくなる
-
人間の視線は、画面の左側に集中するという特性がある。視界に検索キーワードが入ってこないと、ユーザーは「ここに自分の求める情報はない」と判断してクリックすることをためらってしまう。そのため、検索者の視界に入りやすいよう、左側にキーワードを含めるのが好ましい。
以上の2つの理由により、タイトルのできるだけ最初の方、つまり左側にキーワードを含ませることが重要になるのだ。
タイトルタグの変更は危険?
大前提として、Googleは過剰なSEO対策を嫌うため、ページタイトルの変更は極力するべきでない。
しかしサイト運営者は時として、タイトル変更の必要性に迫られる時もあるはずだ。
そういった方のために、最後にタイトル変更の危険性について解説したいと思う。
ネット上には、3ヶ月以内に3回タイトル変更をするとペナルティ対象となる等の情報も多く出回っている。
それを検証すべく、私たちはAとBの2サイトを用いて下記の検証を行った。
- 同ページのタイトルを複数回変更する
- 複数ページのタイトルを大量に変更する
この検証結果をお伝えしたいと思う。
検証1:同ページのタイトルを複数回変更
結論から述べるが、同ページのタイトルを2ヵ月の間に4回変更をしてもペナルティは課されなかった。
また、変更とは具体的に下記のパターンを指す。
- SEOキーワードの記述方法を変更(例:ランディングページ→LP)
- SEOキーワードを残し、タイトル文章全体の変更
- SEO目的ではない単語の追加
- SEO目的ではない単語の削除
ちなみに、タイトル変更で最も危険なのがSEOキーワードの変更・追加である。
コンテンツの内容を表すSEOキーワードがコロコロ変わるのは、健全にサイト運営を行う上ではあり得ない事であり、過剰なSEO対策と判断される。
しかし、タイトルと内容が一致するようにコンテンツをリライトした上でのSEOキーワード変更(3ヵ月間で3回)は、問題なく可能であった。
検証2:複数ページのタイトルを変更
次に、1か月間で同サイト内で40ページのタイトル変更を行ったが、これも問題なくペナルティは課されなかった。
検証に用いたサイトには、「3月2日」「今日の出来事」といった最適化されていないタイトルの古いコンテンツが大量にあった。
そのため、検索エンジンがコンテンツ内容を理解しやすいよう、該当するコンテンツ全てのタイトル最適化を行った。
SEOキーワードの追加も大量に行ったにも関わらず、ペナルティを課されなかったどころか、アクセス数が大きく上昇する結果となった。
ペナルティを課されなかった理由は下記と考えられる。
検索エンジン・ユーザーの両方にとって有益な変更であったため
上記の検証結果の通り、検索アルゴリズムは、「〇ヵ月の間にタイトルを〇回変更するとペナルティ」といった単純なものではないと言える。
大前提としてタイトル変更は行うべきでないが、もし行う場合は下記に注意して行っていただきたい。
- SEO目的ではなく、ユーザビリティ向上を意識する
- コンテンツと関連性のあるキーワードを用いる
- キーワードの詰め込み等、Googleの基本的ガイドラインに準拠する
問題なのは「タイトル変更」というアクション自体ではなく、変更後のタイトルがキーワードの詰め込み等のSEOスパムに該当している事なのだ。
まとめ
titleタグは、SEOにとって非常に重要な部分である。
低品質なコンテンツがタイトル次第で上手く上位表示されることはないが、真逆の現象は頻繁に起こっている。
もしかすると、あなたの書いた素晴らしいコンテンツが、タイトルが原因で検索下位に埋もれてしまっているかも知れない。
この記事を参考に、コンテンツを最大限に評価させる素晴らしいタイトルを付けて頂きたい。