近年、検索順位を左右するSEO対策という言葉が普及して重要視されていますが、記事タイトルのクリック率はSEO対策同等の重要性を持ちます。
検索での表示回数×クリック率
この計算式で検索流入からWebサイトへのアクセス数を求めることができます。
ご覧の通り、いくら検索順位を上げて表示回数を増やしたとしてもクリック率が低ければその効果は半減するのです。
更に、記事内容と違いタイトルは後から変更することができません。記事公開後のタイトル変更はGoogleからペナルティを受けてしまう可能性があるからです。
タイトルのクリック率はセンス次第だと諦めかけている方も多いと思いますが、いくつかの方程式を覚えることで確実に上げることが可能です。
平均クリック率とその8倍の数値を記録した事例
2017年にInternet Marketing Ninjas社が発表したデータにとよると、Googleでの検索順位別の平均クリック率は以下の通りです。
検索順位 | 平均クリック率 |
---|---|
1位 | 21.12% |
2位 | 10.65% |
3位 | 7.57% |
4位 | 4.66% |
5位 | 3.42% |
6位 | 2.56% |
7位 | 2.69% |
8位 | 1.74% |
9位 | 1.74% |
10位 | 1.64% |
1位から10位までのクリック率を足しても57%しかないのは、残り43%のユーザーが11位以降(2ページ目)をクリックしたか、何もアクションを起こさずに検索ページから離脱していることを意味します。
こういったデータを観ると、「やはりSEOが最重要だ!」と思われる方も多いと思いますが、その前に以下のデータをご覧ください。
これは、メディア系サイトを手掛けるクライアントさまのSearch Consoleのデータです。
2016年から運用をはじめ、現在では月間100万PVのアクセスを誇るWebサイトですが、そのアクセス数の大きな理由はクリック率にあります。
このサイトは平均検索順位9.9位、つまり一般平均クリック率が1.64%前後なのに対し、その8倍を超える13%を記録しています。
検索順位2位の平均クリック率を大きく上回るのです。
富山工房では、オリジナルのチェックリストを使ってタイトリングを行っています。
リストに書き留めながらタイトリングすることで飛躍的にレベルが向上するからです。
もし興味のある方はダウンロードをして使ってみてください。
手書きを推奨しますが、面倒な方はエクセルなどで簡易的な類似シートを作成しましょう。
このチェックリストを用いてタイトルのつけ方を解説していきます。
タイトル作成の流れ
タイトルを考える際、一番重要なのはその記事を読んだユーザーがどれほどのベネフィット(利益)を得られるかを具体的に伝えることです。
浦島太郎が大きな玉手箱を選んだように、人間は、自身がよりベネフィットを得られると思った側を選択する習性があります。
それを意識して、3ステップに分けてタイトルを作成していきます。
1.設計
ここからは私たちが過去に作成したタイトル、
自宅で1日5分!簡単エクササイズであの頃の自分を取り戻す!
(対策キーワード:自宅 エクササイズ)
を例にして実際に作成までの流れを解説していきます。
まず最初に、キーワードから簡単なペルソナを作っていきます。
ペルソナとは、その商品・サービスに対して象徴的なユーザーモデルのことです。
このキーワードで検索する人は一体どういう人物で、何を求めて検索したのかといった人物像を作り上げていきます。
今回の場合、「自宅」というキーワードから自由時間の少ない人物だと推測できます。
「まだ手の掛かる小さな子供を持つ主婦」という人物像が当てはまります。
また、小さな子供がいることから、20代半ばから30代前半の年齢であろうことも推測できます。
こういった人物像を踏まえながら、次にタイトルの骨組みとなるパーツを利益・商品・商品説明の3種類に分けて書き出していきます。
「利益」とは、記事を読んだユーザーが得ることのできるベネフィットのことです。
何が得られるかではなく、結果的にどういった未来が得られるかを「自宅」「フィットネス」というキーワードから連想していきます。
それもなるべく具体的に表現しましょう。数字を使うとより効果的です。
- 20代の頃のスカートがまた穿ける
- あの人からデートに誘われた
- 1か月で体重が4キロ落ちた
- 健康と美容を同時に手に入れる
- 外出するのが楽しくなった
- 子供たちがママ自慢をはじめた
- 体重計に乗るのが楽しい
次に「商品」を書き出していきます。商品とは、その記事を読むことでユーザーに何を提供できるのかということです。
- 自宅でできるエクササイズ
- 誰でもできる簡単エクササイズ
- プロが教えるシェイプアップ術
- 身体を引き締めるコツ
- 産後太りの解消術
- 理想のボディを取り戻すエクササイズ
- 痩せるための完全攻略
そして最後に「商品説明」を書き出します。商品説明とは、その商品がどれほど素晴らしいものなのか説明するキャッチフレーズです。
- たった1日5分で
- 5分で読める
- 効果のすぐ出る
- あの女性芸能人もマネした
- 明日から痩せよう
- あの頃の私に
以上で設計作業は終わりです。ペルソナを意識しながらとにかく何でも書き出していくのがコツです。
2.組み立て
次に、1の手順で書き出したワードを組み立てて仮タイトルを作っていきましょう。
基本的には、利益・商品・商品説明から各1つずつ選んで組み立てていきます。仮タイトルは最低でも5つは作りましょう。
より鮮明に未来像が想像できるよう、解りやすく具体的なタイトルにするのがコツです。
きっと、驚くほど簡単にタイトルが何個も作れてしまうはずです。それも魅力あるタイトルばかりのはず。
1つの記事にタイトルを5つも付けることは、プロであっても困難なことです。
しかし、事前にパーツ分けしてワードを書き出すことで、驚くほどタイトリングレベルが向上します。
3.確認
チェックリストの5つの項目と照らし合わせ、不備がないか最終チェックを行います。1つずつ解説していきます。
32文字以内に収まっていますか?
Googel検索では、32文字を超えたタイトルは途中で区切られて表示されます。
どのように区切られるかはブラックボックスとなっていますが、思わぬ表示のされ方をして、クリック率を大きく下げる原因にもなりかねません。
また、「半角英数字も1文字にカウントされるの?」「きゃ・にゃ・にゅ等の拗音は何文字でカウントされるの?」など気になる方はタイトル文字数カウント君!を使ってみましょう。
対策キーワードは含まれていますか?
どういったキーワードで検索するユーザーに対して提供するコンテンツなのかです。
一番最初に設定しましたが、タイトルを試行錯誤する内にウッカリ忘れてしまっている場合もあるので確認しましょう。
不要なサジェストキーワードはないですか?
サジェストキーワードとは、検索欄にキーワードを入力した際に表示される複合キーワードのことです。
サジェストキーワードに表示されるということは、検索ニーズが一定以上あるということです。
例えば、今回の【自宅で1日5分!簡単エクササイズであの頃の自分を取り戻す!】というタイトルが、
自宅で1日5分!簡単エクササイズでクビレと美脚を取り戻す!
だった場合、サジェストキーワードの「クビレ」と「美脚」が含まれてしまいます。
これでは「自宅×エクササイズ」「エクササイズ×クビレ」「エクササイズ×美脚」のどれについて書かれた記事なのか、Google検索エンジンのアルゴリズムが判断しずらくなります。
全てのキーワードにおいて検索上位表示されるほど甘くはありません。ほとんどの場合、全てのキーワードにおいて下位表示されることになります。
母音のメリハリはついてますか?
- ヨーグルトダイエットは効果があるのか調べてみた
- ヨーグルトダイエットに効果があるかを調べてみた
この2つを見比べた場合、どちらの方がクリックしたくなるでしょうか?
おそらくほとんどの方がなんとなく2番を選ぶと思いますが、その理由は、文節毎の母音にメリハリがあるため、文章に躍動感が生まれるからです。
- ヨーグルトダイエットは(a)効果が(a)あるのか(a)調べてみた(a)
- ヨーグルトダイエットに(i)効果が(a)あるかを(o)調べてみた(a)
お判りいただけるでしょうか?母音をズラすだけの工夫でクリック率に大きな差が出ます。
これもチェックして、修正可能な箇所があれば改善しましょう。
ライバルとの差別化はできていますか?
どんなに良いタイトルであっても、実際に検索結果に表示された際に類似したタイトルと並んでしまうと魅力が半減してしまいます。
本来は良いクリック率のはずであっても、他サイトの記事タイトルの影響を受けて埋もれてしまうのです。
それを防ぐ為、予め検索上位の記事タイトルをチェックして似通ったタイトルになってしまうのを避けましょう。
以上で全工程が終了となります。
タイトリング上達のまとめ
こんなチェックリストまで使ってタイトルをつける必要があるのか?と思われる方もいらっしゃると思います。
しかし、サイトの平均クリック率が低いと気がついた頃には既に手遅れなのです。
冒頭で説明したように、記事タイトル(titleタグ)は公開後のやり直しがご法度です。
せっかく良質なコンテンツを生み出しても、クリック率が低いと読まれる機会が減ってしまいます。
あとから後悔しないよう、記事タイトルは何重にもチェックを重ねて作成しましょう。