Google広告のフレーズ一致とは?他マッチタイプと比較して解説

Google広告のフレーズ一致は、使いやすさ・広告成果への繋がりやすさから広告代理店でもよく使用されるマッチタイプだ。

本記事ではフレーズ一致に関する基本的な説明やその特徴を解説する。

この記事で学べるコト
  • フレーズ一致とはどのようなマッチタイプか
  • フレーズ一致の設定方法
  • フレーズ一致のメリットやデメリット
  • フレーズ一致の効率的な活用法
目次

Google広告のフレーズ一致とは?

フレーズ一致とは、Google広告におけるマッチタイプの一つだ。

マッチタイプ:登録したキーワードに対して、どれほど範囲を広げて広告を表示させるかを指定する設定のこと

マッチタイプにはフレーズ一致のほかに完全一致部分一致がある。
これらのマッチタイプとフレーズ一致とでどういった違いがあるかは後述する。

下記の2つは、フレーズ一致を指定した際に広告が表示される範囲だ。
検索キーワード以外にも広い範囲で広告が表示されるといえる。

  • 登録したキーワードと同じ意味とみなせる場合(単語が異なる場合も含む)
  • 登録したキーワードの前後や間に単語が付け加えられている場合

以下がフレーズ一致の仕組みを例を交えて示した表になる。

フレーズ一致で設定したキーワード「大阪から名古屋 家具配送サービス」
キーワードの意味大阪から名古屋への家具を配送するサービス
マッチする検索キーワードの例「手頃な価格の家具配送サービス 大阪から名古屋まで」
マッチしない検索キーワードの例「家具配送サービス 名古屋から大阪」

つまり検索キーワードに多少の違いがあっても、フレーズ一致で設定したキーワードと意味が同じであれば、広告が表示されるということだ。
一方、語順を変えただけでも、検索キーワード意味が変わってしまう場合は広告掲載の対象から外されるといった特徴もある。

<参考サイト:Google広告ヘルプ

Google広告のフレーズ一致の設定方法

フレーズ一致でGoogle広告にキーワードを設定する手順を解説する。

フレーズ一致の設定方法

STEP
キーワード設定画面を開く

Google広告の管理画面の「概要」から「広告グループ」を選択し、キーワードを設定したい「広告グループ」(画面赤丸)をクリックする。

Google広告管理画面

画面左の「検索キーワード」を選択し、赤丸がついた「+」の追加ボタンをクリックする。

検索キーワード
STEP
キーワードの設定

設定したいキーワードを半角ダブルクォーテーション(””)で囲んで入力し、「保存」をクリックする。

キーワードの設定

以上がフレーズ一致でキーワードを設定する方法になる。

フレーズ一致で広告の設定例

類似パターン広告が表示される具体例
構文が密接に関連する語句誤字、表記のゆれ(例:「振り込み」と「振込」)
英単語では単数 / 複数の違い、語形の変化(例:「floor」と「flooring」)
頭文字などの短縮形、アクセント付き文字が含まれる
意味が同じで語順が異なる語句 “赤い シューズ” は「ランニング シューズ 赤」でも表示
機能語の追加と削除“冬のぼうし”「冬 ぼうし セール」でも表示。
機能語と検索の意図に影響しない単語のこと。
例)助詞「から」「の」、接続詞「ための」「しかし」など
一部語句を省略した表現“ステレオ用ヘッドセット” 「ステレオ ヘッドセット セール」でも表示
類義語や言い換えスイム ウェア“は「赤い 水着」でも表示
<出典:Google広告ヘルプ

フレーズ一致の仕様変更の注意点

Google広告のフレーズ一致は、2021年7月以降「語順が異なっても意味が一緒であれば広告が表示される」というように仕様が変更されている。語順が同じでないと掲載されないという古い情報が錯綜しているので注意が必要だ。
また、以前のフレーズ一致では登録したキーワードの間に他の単語が入った場合は表示対象ではなかったが、仕様変更後は表示対象となっている。

検索キーワード従来(2021年7月以前)2021年7月以降
「帽子 女性用」
(語順が逆)
×
「女性用 夏用 帽子」
(登録キーワードの間に別の単語)
×
フレーズ一致”女性用 帽子”でキーワード設定した場合

ただし、語順によって意味まで違ってくる場合は配信されないのでキーワード設定には注意が必要だ。

Google広告の部分一致・完全一致との違い

Google広告のキーワードには3つのマッチタイプ「フレーズ一致」「部分一致」「完全一致」がある。
検索キーワードによる広告表示範囲が異なり、「部分一致」>「フレーズ一致」>「完全一致」の順で広く広告配信される。

以下に「フレーズ一致」と他2種のマッチタイプの違いを解説する。

フレーズ一致と完全一致との違い

「完全一致」は、登録したキーワードと完全に意味が一致する検索キーワードにのみ広告が掲載されるマッチタイプだ。
「フレーズ一致」がキーワードと同じ意味を含んだ範囲で柔軟に広告配信されるのに対し、「完全一致」は全く同じ意味を持つ場合を限定して広告配信される。

例えば [男性用のシューズ]を完全一致で設定した場合、検索キーワードによる広告の表示・非表示は以下のようになる。

完全一致
<出典:Google広告ヘルプ

フレーズ一致と部分一致との違い

「部分一致」は多様な検索キーワードで広告を表示したい場合に使用され、最も広い範囲に対応したマッチタイプである。

「フレーズ一致」はキーワードの意味が重要視されるのに対し、「部分一致」の場合は類義語や関連するキーワードまで広く掲載されるといった違いがある。
例えば「コンタクト」を部分一致で設定した場合、「コンタクトレンズ」や「出会い(conatct: 接触)」など類義語、関連ワード、誤字などの検索キーワードで広告配信されるといった具合だ。

Google広告のフレーズ一致のメリット

フレーズ一致は、時間や手間を省いて関心度合いの高いユーザーに広告配信ができるマッチタイプといえる。

マッチタイプフレーズ一致と比べたデメリット
部分一致関係ないキーワードでも広告が配信されてしまい、費用が無駄になる
完全一致キーワード登録に手間が掛かりすぎる
各マッチタイプと「フレーズ一致」の比較

ここからはフレーズ一致の以下3つのメリットを順に解説する。

  • 配配信機会を失うのを防ぐ
  • 広告効率の向上
  • 過剰な広告費を抑えられる

①配信機会を失うのを防ぐ

Google広告のフレーズ一致は、検索キーワードを限定しないため広告掲載の配信方法に広がりがある。
一方、完全一致では設定したキーワードと全く同じ意味を持つ検索にしか広告が配信されない。

完全一致では、広告が表示される機会が少なくなる分、コンバーション(購入や資料請求)に繋がる見込み客を取りこぼす恐れがある。
これに対し、フレーズ一致の場合は広く広告配信ができるため、購買や資料請求に繋がる可能性が高いといえる

②広告効率の向上

Google広告のフレーズ一致は、登録キーワードと同義の検索キーワードに絞って広告を表示する。
そのため検索意図に近く購買意欲があるユーザーに広告が届き、クリック率およびコンバーション率の向上が期待できる

フレーズ一致に対し部分一致」は、広く広告が配信されることから、購買意欲の低くコンバーションに繋がらないユーザーにも広告が目に入る。その結果、広告の効率(クリック率・コンバージョン率)低下する結果になりかねない。

Man

部分一致で「英会話」を登録すると、「ビジネス英会話」の会社なのに「子供向け英会話」で検索しても広告が出ちゃう感じ?

woman

そうそう。広告費が無駄になるね。
フレーズ一致で “ビジネス 英会話” を登録するといいよ

③過剰な広告費を抑えられる

Google広告では「広告費はクリックされた時だけ発生する」課金方式が一般的に採用されており、広告タイプによっては予算の都合でインプレッション(広告の表示回数)が制限されるケースもある。
いずれの場合もいかに無駄な広告クリック・広告表示をさせないかが効率的な広告運用の鍵となる。

フレーズ一致の場合、自社の商品やサービスに関心が低い層に広告が表示されにくいため、無駄なインプレッションを減らせるメリットがある。
また完全一致より広い範囲でユーザーを取り込めるため、広告費を節約しながらもより効率よく見込み客を集めることが期待できる。

上記のように、フレーズ一致では広告目的とは無関係なクリックやインプレッションを防げるため、過剰な広告費を抑えつつ、最大限の広告効果が期待できる

Google広告のフレーズ一致のデメリット

フレーズ一致を使用する際は、以下2つのデメリットも理解していただきたい。

  • 見込み客を取りこぼすリスク
  • 高いクリック単価

①見込み客を取りこぼすリスク

Google広告のフレーズ一致は、完全一致に比べると配信範囲は広いものの、部分一致よりも狭くなるため見込み客を取りこぼす可能性がある。

例)”宅配寿司” をフレーズ一致で登録した場合、「すしオンライン注文」では広告が配信されないことがある。
コンバージョンにつながるキーワードで検索したユーザーに対して広告が表示されず、見込み客を取りこぼす結果となっている

②高いクリック単価と上位表示の難しさ

Google広告のフレーズ一致のもう一つのデメリットは、クリック単価が高くなることだ。

フレーズ一致が扱いやすいマッチタイプであることから、同じキーワードを設定する同業の広告主が多く、その結果キーワードのクリック単価が上がり、広告の上位表示が難しくなるといった状態になりやすい。

また広告単価が高い業種や分野では、キーワードの選択によって数百万円~数千万円もの広告費が無駄になる恐れがあるため注意が必要だ。

競合他社が多いということは、広告内容で他社との差別化を図ることが重要であり、工夫を凝らしたオリジナリティが求められる。

フレーズ一致はよく使われているマッチタイプだが、これらのデメリットも考慮にいれてどの程度使用するか判断するとよい。

Google広告のフレーズ一致の効果的な活用法

Google広告のフレーズ一致を効果的に活用できるケースとして以下の3つがある。

  • 除外キーワード設定
  • 自社キーワードの除外設定を競合他社へ依頼
  • エリア名の登録

①除外キーワード設定

「除外キーワード」とは、設定した検索キーワードに対して広告を表示させないようにする機能のことだ。
売上につながらない検索キーワードで広告が表示されないようにすることで、無駄な広告費を抑えることができる。

除外設定をしておきたいキーワードとして下記の2種類がある。

①コンバーションにつながらないキーワード
  • 自社で取り扱っていない商品
  • 競合他社名
  • 「無料」
  • 「求人」
②商品やサービスのイメージを下げるネガティブキーワード
  • 「退会」
  • 「キャンセル」
  • 「ブラック」

完全一致で除外キーワード設定をする場合、関連する検索キーワードを予測して1つ1つ設定する必要がある。

完全一致による除外
<引用元:Google広告ヘルプ

上記のように完全一致で除外設定をする場合はかなり手間がかかるのに対し、フレーズ一致で除外設定をすると設定キーワードが入っている検索すべてに対して広告配信を外すことができる。

なお注意点として、除外キーワードをフレーズ一致で設定すると「完全に一致するキーワードが同じ語順」で検索された場合でのみ広告が表示されなくなることを覚えていただきたい。

例)野球帽を取り扱っていない女性用帽子店の場合

フレーズ一致で “女性用 野球帽” と “野球帽 女性用” の2つを除外キーワードに設定する必要がある。
これは通常の検索キーワードに登録する際のフレーズ一致とは違い、語順が異なると広告配信されてしまうため。

なお「女性用 野球帽 セール」や「野球帽 女性用 安い」のように、他の語句が含まれた検索キーワードでは広告は配信されない。

フレーズ一致による除外
<引用元:Google広告ヘルプ


②自社キーワードの除外設定を競合他社へ依頼する

自社ブランドの商品名が検索された時、競合他社の広告も表示される場合がある。
これは他社が設定した部分一致の拡張機能により意図せず広告配信されることがあるためだ。

自社ブランドの商品名で競合他社に顧客を取られている際は、自社ブランド名や商品名を指定し「フレーズ一致と完全一致」で除外設定をしてくれるよう依頼するとよいだろう。

Man

そんな依頼していいいの?

woman

一般的な単語を含んでなければ妥当な依頼だからね

③エリア名の登録

特定のエリアの範囲でビジネスの展開を検討している場合、フレーズ一致は大きな効果を発揮する。
たとえば “大阪 英会話” をフレーズ一致で設定すると、「英会話 大阪 駅近」や「人気 英会話 大阪」などの検索キーワードをほとんど網羅できる。

「完全一致」では手間と時間がかかりすぎ、一方「部分一致」ではビジネス展開を考えていないエリアのキーワードにも広告が掲載されることがある。
「フレーズ一致」は、ビジネス展開をしたいエリア名がある際に効果を発揮するマッチタイプといえる。

まとめ

Google広告のフレーズ一致は、無駄なく購買意欲の高いユーザーに広告配信ができるマッチタイプだ。

本記事では、フレーズ一致とその他2つのマッチタイプの特徴を比較しながら、メリット・デメリット・活用方法などを解説した。これらの内容を参考にフレーズ一致への理解を深め、広告成果が向上すれば幸いだ。

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