被リンクは「インターネットでの貨幣」とまで言われており、そのSEO効果は今のなお健在である。
良質な被リンクを得ることができたならば、あなたのサイトは面白いように検索上位を獲得するだろう。
しかし、誤った手法で対策を行うとサイトがインデックス削除(検索結果に表示されなくなる)される可能性もあるのが被リンクの恐ろしいところである。
そこでこの記事では、被リンクについて解説したいと思う。
- SEO効果の高い「良質な被リンク」とは
- ペナルティ対象となる「低質な被リンク」とは
- 正しい被リンクの集め方
SEO対策における被リンクの効果
被リンクとは、他サイトから自分のサイトへ貼られたリンクのことを指す。
別名、外部リンク・バックリンクとも呼ばれる被リンクだが、何故、被リンクがSEOにおいて重要と言われるのだろうか。
被リンクがもたらすSEO効果とは、具体的に下記の2点になる。
- Web上における支持数
- クローラー巡回頻度の増加
それぞれについて簡単に解説しておきたいと思う。
クローラー巡回頻度の増加
クローラーとは、インターネット上のWebサイトを定期的に巡回するロボットである。
インターネット上を「這う(クロール)」ように巡回することから、この名称で呼ばれている。
そしてこのクローラーは、Googleがページのランキングを決定する上で重要な役割を担っている。
まずは下記図を見てほしい。
つまり、クローラーがページを巡回しない限りは検索エンジンに登録すらされないのだ。
また、クローラーは主にリンクを入り口としてサイト間を行き来するため、被リンクが多い程クローラーを効率良く誘導することが可能となる。
クローラーは、何度もWebサイトを巡回しながら少しずつページ情報を集め、検索エンジンのデータベースに登録する。
つまり被リンク(ページへの入り口)が多い程、クローラーの巡回頻度も増し、早く正確にGoogleに評価されるようになるのだ。
Web上における投票数
もう1つのSEO効果が「Web上での投票効果」である。
Googleの検索エンジンアルゴリズムは、民主主義における「投票制度」を参考にリンクを「Web上での投票」と解釈し、検索順位を決める上で判断材料の1つとしているのだ。
ウェブ上の民主主義は機能する。
Google 検索が機能するのは、どのサイトのコンテンツが重要かを判断するうえで、膨大なユーザーがウェブサイトに張ったリンクを基準としているからです。
ここまで読み進めた方の多くは下記のような疑問を抱かれたはずだ。
「Web上の投票」というのは作為的に操作できるのでは?
この答えに関しては非常に重要なことなので、検索エンジンアルゴリズムの進化の歴史と合わせて解説したいと思う。
アルゴリズムの進化と被リンク
先述したようにGoogleは、「リンクの多いサイトは素晴らしいサイトである」という判断基準を持っていた。
これは非常にシンプルな方程式であるため、当時のSEO業者はこぞって人工的に被リンクを量産しはじめた。
具体的には、サテライトサイトを大量に構築し、メインサイトに向けてリンクを貼る手法がよく用いられた。
サテライトサイトとは、別名「衛星サイト」とも呼ばれ、被リンクを増やすことを目的として作られるWebサイトを指す。
また、実際にこのような裏技的手法で比較的簡単に上位表示が実現したのだ。
検索エンジンアルゴリズムの不備を狙う「ブラックハットSEO」の隆盛期である。
しかし、GoogleもブラックハットSEOの対策に動き出す。
2011年、被リンクに関する評価基準を見直すことを目的としたアルゴリズムのアップデートが実施された。
このアルゴリズムアップデートはパンダアップデートと呼ばれており、それ以降、作為的な被リンクには一切のSEO効果が生じることはなくなった。
当時、ブラックハットSEOで検索上位に表示されていたサイトはインデックス削除により検索エンジン上から姿を消した。
しかしここで勘違いしないで頂きたいのが、現在でも特定の条件を満たす「良質な被リンク」にはSOE効果があるということだ。
SEOに効く「良質な被リンク」とは
現在、有象無象のサイトから貼られた被リンクには一切のSEO効果はない。
しかし下記の条件を満たす被リンクには、今もなお大きなSEO効果があるのだ。
- 関連性のあるWebページから貼られたリンク
- 良質・権威性のあるサイトから貼られたリンク
つまり、現在のSEOでは「どこからリンクを貼られているか」が重視されるのだ。
具体例を挙げてみたい。
例えば、医療に関するWeb記事に4つのサイトからリンクが貼られた場合、下記のようにSEO効果の差が生じる。
上記例の場合、同ジャンルである2サイトからのリンクにSEO効果があり、更にその中でも権威性を兼ね備えた国立病院HPからのリンクが最も「良質な被リンク」となる。
良質な被リンクの獲得方法
では、どのように良質な被リンクを獲得していけばいいのか、その方法は下記3つとなる。
- 引用される価値のあるコンテンツを作る
- SNSへのシェアを促す
- 記事を寄稿する
それぞれについて簡単に解説したいと思う。
引用される価値のあるコンテンツを作る
独自性があり正確な情報、明確な根拠の示されている良質なコンテンツは、同ジャンルのサイトに引用されやすい。
引用されやすいコンテンツ作りのため、下記の3点を心がけよう。
- 他サイトにはない、独自性のある一次情報である
- 情報が正確であり、その根拠も示されている
- 画像やイラストを用いて読みやすく構成されている
引用リンクを獲得するのは簡単なことではないが、得られるSEO効果は非常に高い。
SNSへのシェアを促す
良質な被リンクを増やすにはSNSの活用も有効である。自身のSNSアカウントでも作ったコンテンツを発信しよう。
ユーザーがSNSへシェアしやすいよう、コンテンツ内にソーシャルボタンを設置するのも有効である。
また、厳密に言うとTwitter・Facebook等のSNSにリンクを貼られても直接的なSEO効果はない。
SNSのリンクにはnofollow属性と言う設定が施されており、リンク先にページ評価を渡さないようになっている。
しかしながら、SNSで拡散されれば多くのユーザーにコンテンツが認知され、本当に良質なコンテンツさらば彼らのサイトからリンクを貼られるはずだ。
記事を寄稿する
Web上での寄稿とは、他サイトに掲載されるよう作成したコンテンツを送ることである。
寄稿することで、そのサイトからのリンクを得られる場合がある。
いくつかの寄稿サイトをご紹介したいと思う。
ペナルティ対象となる被リンク
次に、ペナルティ対象となる被リンクについてもお伝えしておきたい。
注意すべき被リンクとは、具体的に下記6つとなる。
- 過剰な相互リンク
- 購入したリンク
- 掲示板・フォーラムのコメント欄からのリンク
- 自動化されたプログラムにより生成されたリンク
- 特定のキーワードを用いたテキストリンク
- その他、操作して作られたリンク
各々について簡単に触れておきたい。
過剰な相互リンク
相互リンクとは、お互いのWebサイトでリンクを貼り合う行為で、一時期SEOを目的としてブロガー等の間で流行った手法である。
後に相互リンクを目的としたリンクファームと呼ばれる手法も用いられるようになるが、現在ではSEOスパムの一種とGoogleに認定されている。
特に、知り合いや友人の所有する関連性のないWebサイトと相互リンクをする行為は現在も見受けられるので注意が必要だ。
購入したリンク
SEO対策をうたって、被リンクを売買する業者もいる。
リンク購入はSEOスパムであり、お勧めはしない。
しかし、100%効果がないのかと言われると、確信を持ってお答えすることはできない。
私たちが顧問を務めるクライアント企業の中にも、過去にSEO業者からリンク購入経験のある方は多い。
購入したリンクのほとんどは効果がなかったものの、一部の業者は上手くGoogleを欺き、SEO効果を出していたのも事実なのだ。
しかし間違いなく言えることは、アルゴリズムのアップデートの度にそういったリンク購入をしているサイトは見抜かれ、淘汰され、数を減らし続けていることだ。
掲示板・フォーラムのコメント欄からのリンク
SEO初心者の方に最も多いのが掲示版・コメント欄を使用したリンク施策である。
「リンクは多いほど効果が上がる」という誤ったSEO知識により、様々な掲示板やブログのコメント欄などにリンク付きの投稿をする方が後を絶たない。
こちらもペナルティ対象となるので注意すべきだ。
自動化プログラムを利用して生成されたリンク
自動化されたプログラムには、代表的なものに「ワードサラダ」が挙げられる。
ワードサラダとは、文章を自動生成するプログラムである。ワードサラダを使うことで、簡単に大規模なWebサイトを構築することができる。
要は、リンクを貼るための「良質なサイト」を手軽に構築するために用いられた手法だが、Googleのアルゴリズムはワードサラダによって生成された文章をも見抜くまでに進化している。
特定のキーワードを用いたテキストリンク
テキストリンクとは、テキストを用いたリンクのことで、下記もその1つである。
被リンクのSEO効果は画像リンクよりもテキストリンクの方が高く、またアンカーテキストの内容もSEOに影響する。
しかし意図的に状表示させたいキーワードをアンカーテキストに含めるのはペナルティ対象となってしまうので注意が必要だ。
その他、操作して作られたリンク
ここまでペナルティ対象となるリンクの種類を細かく説明させて頂いたが、基本的に操作して作り出されたリンクは全てペナルティ対象と考えておけばよい。
Google のウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)への違反となる場合があります。これには、自分のサイトへのリンクを操作する行為も、自分のサイトからのリンクを操作する行為も含まれます。
Googleは、SEOを目的とした作為的なリンクを必ず見つけ出し、ペナルティを課す。
まとめ
SEO対策とひとことで言っても、その評価基準は変わるため、常に効果のある対策を提示することは難しい。
しかし、時代が変わってもガイドラインに沿った「良質な被リンク」のSEO効果は長く残り続けるだろう。
しかし、良質な被リンクを獲得するため、「どうすればリンクを貼ってもらえるか」について悩むのはナンセンスである。
全てのサイト運営者は、「リンクの貼られるような良質なコンテンツ作り」に時間を割くべきなのだ。