近年、Webユーザーの間で「Google先生」という言葉が使われるようになった。
「Googleで検索をすれば何でもわかる」という、検索機能の高い信頼性を比喩した言葉である。
しかし2010年当初、Google検索は「先生」とは程遠い存在であった。他サイトのコピーコンテンツや広告だらけのWebページが検索上位を埋めていたのだ。
こういった事態を改善すべくGoogleが開発したアルゴリズムの修正こそが、「パンダアップデート」である。
パンダアップデート以降、ユーザーは良質な情報を効率的に得られるようになった。
このパンダアップデートを正しく理解することは、Googleが上位表示させるコンテンツの特徴を理解することに繋がり、しいては効果的なSEOの実現へと繋がる。
そこでこの記事では、パンダアップデートの対象となるコンテンツの特徴や、それらを踏まえた上でサイト運営側が心がけるべき方針などを解説したいと思う。
- パンダアップデートの対象となるコンテンツ
- パンダアップデートの実施頻度
- パンダアップデートを受けた場合の対処法
パンダアップデートとは
パンダアップデートとは、Googleアルゴリズムに加えられた更新の1つであり、その目的はシンプルなもので下記の通り。
低品質なWebサイトが上位表示されるのを防ぐ
つまり検索者が求めている情報に早くたどり着けるように、有益性の高いWebサイトを検索結果の上位に表示するために行われたアップデートだ。
名前の由来はGoogleのエンジニアであるビスワナス・パンダ氏から取った説と、「(パンダのように)白黒ハッキリつける」といった説がある。
パンダアップデートは2011年に初めてアメリカで実施され、日本でも2012年に導入された。
パンダアップデート実施の背景
2010年前後のインターネットは、「コンテンツ・ファーム」と呼ばれる手法で生成された低品質なコンテンツで溢れ返っていた。
コンテンツファームでは、機械的に文章を生成したりといった方法でコンテンツを作成する。他サイトの単なる複製や、多少手直ししただけで内容は同一のコンテンツ、あるいは、当り前の事ばかり連ねてあり有益な情報を持たない、といった品質の低いコンテンツを、量を重視して大量に生成・配信する。
引用:Weblio辞書
その結果、Googleの検索結果でも、他サイトのコピーコンテンツや信憑性の低いコンテンツが検索上位に軒を連ねていた。
その逆に、真に価値のあるコンテンツが検索結果の2ページ目、3ページ目以降に埋もれて誰の目にも届かず、Googleユーザーの利便性にも悪影響を与えていたのだ。
この状況を打開するために開発されたアルゴリズム・アップデートがパンダアップデートである。
このような対策を定期的に施し、Google側が環境を整備することで、ユーザーが良質なサイトを見つけやすくなるだけでなく、サイト運営側にもより専門性・信頼性の高いコンテンツを作るよう、意識向上を促す目的もあったとされる。
パンダアップデートの対象コンテンツ
パンダアップデートの施行により、Googleが「低品質コンテンツ」と定義する内容に該当するコンテンツは、検索結果において上位表示されなくなった。
低品質コンテンツとは、具体的に下記のように定義されている。
他サイトと内容が重複している
Webマスター向けガイドライン
広告の割合が多く独自コンテンツの割合が少ない
プログラムで自動生成されたコンテンツ(#の乱用など特定の検索キーワードをでたらめな内容で構成したもの)
誘導ページ(特定の検索キーワードに関連する質の低いページをただ集めただけのもの)
実質のないアフィリエイトサイト(商品説明を販売元から直接コピーし、そのまま掲載しただけのアフィリエイトリンクを含むページ)
外部リンクを得られず、SNSでも拡散されていない
そもそも検索エンジンのアルゴリズムは非常に複雑で常に変化し続けている。
そのため、上記のようなサイトの順位が下降した原因が一概にパンダアップデートによるものだとは断言できない部分もある。
ただ、Googleはユーザーの利便性を第一に考えており、そのために良質なコンテンツを上位表示させるべきという一貫した指標を持っている。
基本方針
検索エンジンではなく、ユーザーの利便性を最優先に考慮してページを作成する。
良質なコンテンツとは
アルゴリズムアップデートの度に、多くのサイト運営者やSEO関係者から、Googleでの掲載順位を上げる方法を知りたいという声が上がる。
しかしGoogleは、単にアルゴリズムに対しての対策を立てるのではなく、下記のような項目を心がけて良質なコンテンツを提供するように推奨している。
・サイトで扱うトピックは専門家または熟知している人物が書いたものか?
Webマスター向け公式ブログ
・クレジット カード情報など重要な個人情報を安心して提供できるほど信頼できるサイトか?
・扱われているトピックは、ユーザーの興味に基いて選択されたものか? 検索エンジンのランキング上位表示を目的として選択されたものか?
・このサイトは、そのトピックに関して第一人者(オーソリティ)として認識されているか?
・あなたはこのサイトの情報を信頼できるか?
・記事が雑誌、百科事典、書籍で読めるようなクオリティか?
・これを知ることで、Googleが良質なサイトと低品質なサイトをどのように見分けようとしているかを推測することができる。
ご覧のように、Googleは検索上位表示を目的としたコンテンツを嫌う。あくまでコンテンツはユーザーのために作られるべきなのだ。
直近のパンダアップデート
2011年に初めて実施されたパンダアップデートだが、現在も月1回程度の頻度で継続的に行われており、検索結果に影響を与え続けている。
導入されてまだ初期段階だった頃のパンダアップデートは、通常のアルゴリズムとは異なり、アップデート処理が手動により更新されていた。
しかし、2013年3月に行われたVer25を最後に、コアアルゴリズムとして統合され自動更新へと変換された。
手動更新から自動更新へ移行
手動時代は更新の度にツイッターや公式サイトなどでアナウンスされたが、自動更新以降は大規模なアップデートを行う時以外、アナウンスされる事はなくなった。
2014年のパンダアップデート4.0、4.1の際は事前に告知があったが、2015年以降はアップデートが行われた形跡やデータ更新は確認されていない。
これにより、サイト運営者はパンダアップデートの影響で自身のサイトの検索順位が下降しても気付くことが困難になる。
パンダアップデートの影響?の不安な場合
前項でもお伝えしたとおり、そもそも検索順位の変動とはひとつの原因に断定できるほど単純なものではなく、様々な要因が絡み合って起こるものだ。
しかし、検索順位が下落した際は、たとえ小さな要因でも早急に突き止め、修正に取り掛かりたいのがサイト運営側の本音である。
このような時、あなたがすべき事はたった1つである。
ユーザー目線でコンテンツの質を改善し続ける
Googleのアルゴリズムは一見複雑なようだが本質は非常にシンプルなものだ。それはGoogleがパンダアップデートを開発するに至った下記の経緯から見て取れる。
サイトに対する Google の品質評価アルゴリズムは、低品質なコンテンツのランキングを下げることによって、良質なサイトをユーザーが見つけやすくします。今回の Panda アップデートは、サイトの品質評価をアルゴリズムで行うというこの難題に挑戦しました。
参照:良質なサイトとは
パンダアップデートにより自身のウェブサイトの表示順位が下がってしまったとしても、焦ることなく、ひとつひとつチェックして改善を図れば、順位回復も見込めるのだ。
まとめ
Googleの検索順位変動はサイト運営に関わる全ての人間にとって気が気でない問題である。
世界中のサイト運営者やSEO担当者が、Googleのアップデートにどのような対策を取ろうかと必死になって最適解を探し続けている。
彼らは「他サイトと重複する部分は何%以内なら良いか?」「オリジナルテキストは最低でも何文字以上必要か?」といった研究に膨大な時間を費やしている。
しかし、こうしたSEOの追求は的外れであり、本質的ではない。
まず、第一に考えるべきはネットの向こう側にいる検索ユーザーの利便性なのだ。
検索者がより早く求めていた情報にたどりつき、良質なコンテンツを提供するサイト運営者が、より多くのフィードバックを得られるように、Googleはこれからもアルゴリズムを改善していくことだろう。